イーズ動物病院

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 避妊手術/去勢手術

 避妊・去勢手術とは、メスでは卵巣および子宮の摘出(避妊)オスでは精巣を摘出(去勢)する手術のことをいいます。
 これらの手術を行うと、永久に妊娠する(させる)ことができなくなります。
 近年の避妊・去勢手術の目的は、これまでの「望まれない妊娠を避けるため」だけでなく、将来的に起こる可能性のある性ホルモンに関連した病気の防止や性ホルモンによって誘発される発情徴候、スプレー行動、攻撃性、マウンティングなどの問題行動を防止することに重点がおかれています。

避妊・去勢手術の必要性

どうして避妊・去勢手術をする必要があるの?
                       避妊・去勢手術の必要性①

避妊・去勢手術は、望まれない妊娠を避けるためだけでなく、生殖器の病気や性ホルモンによって起こる病気を防止することができます。

 避妊手術(メス)の主な目的

望まれない交配による妊娠を避ける
生殖器の病気・性ホルモンに関連した病気を予防する
  子宮蓄膿症、乳腺腫瘍、卵巣腫瘍、子宮・膣腫瘍(平滑筋腫)、膣脱、偽妊娠など
性ホルモンに関連した問題行動を抑制す
  発情徴候(外陰部からの出血、鳴き声など)、スプレー行動、マウンティング行動など
糖尿病の発症率を低下させる
  性ホルモンが分泌される黄体期を重ねるごとに、糖尿病の発生リスクが高くなる

 去勢手術(オス)の主な目的

望まれない交配による妊娠を避ける
生殖器の病気・性ホルモンに関連した病気を予防する
  前立腺肥大症、精巣腫瘍、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫など
性ホルモンに関連した問題行動を抑制する
  スプレー行動、攻撃性、逃走癖、マウンティング行動など
  ※オス猫では特に、喧嘩による外傷からのウイルス感染の予

 性ホルモンによる病気の予防    避妊・去勢手術の必要性②

現在では、卵巣または精巣から分泌される性ホルモンのよって、多くの病気が起こることが分かってきています

 例えば(メス)の場合・・・

●子宮蓄膿症●
 子宮内に細菌感染が起こり、膿がたまる病気です。出産経験が無い高齢のメス犬に多くみられます。卵巣(黄体)から分泌される性ホルモンが、長期間子宮へ作用することで子宮が細菌感染を起こしやすくなることが分かっています。治療が遅れると死に至る可能性もあります。
●乳腺腫瘍●
 犬の乳腺腫瘍の発症率は腫瘍全体の約30%ですが、その約半数が悪性であるといわれています。
 猫の乳腺腫瘍の発症率は腫瘍全体の約17%ですが、その80~90%は悪性(腺癌が80%以上)であるといわれています。

 例えば(オス)の場合・・・ 

●前立腺肥大症●
 高齢のオス犬に多くみられ、精巣から分泌される性ホルモンによって前立腺が大きくなり、血尿や排便障害などの症状を起こす病気です
●精巣腫瘍●
 通常、犬では生後30日、猫では生後21日かけて、精巣が陰嚢内に下降しますが、そのままおなかの中にとどまってしまうことを潜在精巣といいます。おなかの中にある精巣は、陰嚢内にある精巣よりも(10倍以上の確率で)腫瘍化しやすいことが分かっています。


 このように、オス・メスともに性ホルモンによって引き起こされる病気は命の危険を伴うことがあります。
 つまり、なるべく早期に避妊・去勢手術を行うことによって、多くの性ホルモンに関連した重篤な病気を予防することができるのです。

性ホルモンによる問題行動の抑制    避妊・去勢手術の必要性③

の問題行動

 メス犬は発情がくると、外陰部からの発情出血があります。また発情終了後に、妊娠していないのに乳腺が腫れてしまう「偽妊娠」が起きることもあります。偽妊娠が起きるとメス犬は食欲が低下し、神経質になり、おもちゃを離さないなどの行動を示します。
 オス犬はマーキングのため頻繁に色々なところで尿をしたり、他のオス犬への攻撃性を持つことがあります。さらに、性的な不満足さから飼主さんや物へのマウンティング行動を起こしたりもします。
メス▶外陰部からの発情出血 偽妊娠
オス▶  攻撃性が高くなる  スプレー行動  マウンティング 「ま  

の問題行動

 メス猫は発情がくると、激し声で鳴くようになります。これは特にマンションなどで飼育している飼主さんにとっては問題になることだと思います。
 オス猫は他のオスへ攻撃性を持ったり、マーキングのためスプレー行動をしたり、外へ出たがるようになります。
メス▶激しい声で鳴く 
オス▶  攻撃性が高くなる  スプレー行動  逃走 「ま  

健やかに、ストレスなく過ごすために

 このような問題行動は全て性ホルモンの働きによって起こると考えられ、避妊・去勢手術を行うことで抑制することができます。同時に、行動範囲が狭まることで、伝染病の感染率や交通事故による外傷などの予防になります。
 しかし、これらの問題行動も一度学習してしまうと、避妊・去勢手術によって性ホルモンの分泌がなくなっても抑制することが難しくなります。
 そのため、なるべく若齢期に避妊・去勢をする方がよいでしょう。
 またオスとメスが同居している場合や近所から異性の匂いがしてくる場合に、避妊・去勢手術を行っていない犬・猫のストレスの原因になってしまうこともあります。そのため、避妊・去勢手術を行うことで、これらのストレスを除去し、精神的に安定させてあげることもできます。

避妊・去勢手術を受けるにあたって

避妊・去勢手術の注意点は?  避妊・去勢手術を受けるにあたって①

避妊・去勢手術によって、不妊、病気・問題行動の抑制につながりますが、手術そのもの、術後に考えられる副作用・リスクについても理解しましょう。

 短期的な注意点

全身麻酔(アレルギーなども含む)
術後感染症 ※メス・オスともにまれ

 長期的な注意点

体重の増加傾向(肥満)
尿失禁(特に)大型犬で注意 ※オスではまれ
皮膚病(脱毛)、被毛の外観の異常
特定の病気の発生率の増加
縫合糸によるアレルギー反応
子宮・卵巣の断端の肉芽腫  メス特有の注意点
発情の回帰(卵巣遺残症候群) メス特有の注意点

 

          避妊・去勢手術の主なリスク

麻酔全身麻酔を必要とするので、そのリスクは0%であるとはいえません。中には麻酔に対してアレルギーを持っている場合や、ブルドックやフレンチブルドック、ボストンテリアなどの短頭種では呼吸器の問題が起こりやすいので注意が必要です。

 肥満  避妊・去勢手術後は、基礎代謝率の減少によりカロリー要求量が減ることや、行動範囲が狭まり運動量が減ることから肥満になりやすい傾向があります。一方で、食欲は変わらないか増加する傾向があるため、食欲のあわせて食事を与えていると太ってしまいます。犬や猫は、一度肥満になると体重を減らすことは難しく、また糖尿病や骨関節炎にかかりやすくなることが知られているため、十分に注意が必要です。

 尿失禁  大型犬では、メスの避妊手術の副作用として尿失禁(目覚め時、興奮時の尿漏れ)が起きやすくなります。大型犬での尿失禁の発症率は、海外の報告では5~20%ぐらいで、小型犬での発症は少ないといわれています。また発症までには手術後約2年ぐらいかかるといわれています。

縫合糸のアレルギー反応
 手術時の縫合糸によって異物反応が過剰に起こり、アレルギー反応が出てしまうことがあります。しかし、その原因については未だ解明されていません。ミニチュアダックスフンドにおいてこの反応が起きやすことが知られています。

手術する時期はいつがいいの?避妊/去勢手術を受けるにあたって②

いつまでに手術をしなければいけないという具体的な決まりはなく、健康であればいつでも手術を行うことは可能です。ただ、乳腺腫瘍の発生率は初回発情(性成熟)が起こる前の早期に卵巣を摘出した方が低くなることが明らかにされています。また性ホルモンによる問題行動については先述のとおり、その行動を起こしていた期間が長いほど、手術後の改善がみられない傾向があり、これは性ホルモンの影響というより、学習要素の問題が大きく影響していると考えられています。そのため、手術を行う時期としては、初回発情または問題行動を起こす前の若齢期(犬猫ともに生後6ヵ月齢前後)が望ましいと考えられます。また、手術時期の違いによる副作用(尿失禁、被毛の外観の異常、体重増加傾向(肥満))の差はなかったとの報告があります。

Q&A

 Q1  避妊・去勢手術はどんな犬・猫が対象になりますか?        

 健康であれば全ての犬・猫が対象になります。成犬や成猫、また、高齢になってからも実施することはできますが、病気の予防や問題行動の抑制という点を考慮すると若齢期での実施がより望ましいといえます。繁殖させる予定が無い場合は避妊・去勢手術について一度動物病院にご相談下さい。

 Q2  手術後にどんな食事を与えたらよいですか?            

 避妊・去勢手術後は太りやすくなることが知られていますので、摂取カロリーに気を付ける必要があります。手術を受けた犬や猫専用のフードもありますので動物病院にご相談下さい。

 Q3  手術時期が遅くなるとどんな影響がありますか?          

 手術時期が遅くなると病気の発症を予防できる割合が下がったり、問題行動が十分に改善しないといったデメリットが考えられます。そのため若齢期に手術をすることによって、これらを早い段階から防ぐことができます。

イーズ動物病院

Information

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